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今週のライオンズ

更新日:2022年2月7日

 こんにちは!日に日に寒さが増し、日も短くなっている今日この頃ですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?


 皆さんも寒い中元気に走っておられると思いますが、日本から約1万キロ離れた赤道直下、標高2300mのケニア、イテンでは、クリスマスの季節も強烈な太陽の光を浴びながらライオンズの選手たちが練習に励んでいます。それでは、今週のライオンズの選手たちのトレーニングをお届けします。


月曜日

午前 20キロ低強度

午後 10キロ低強度


火曜日

午前 ファルトレク15x3’/1’→8x1000m/2’ 平均2分48秒

午後 10キロ低強度


水曜日

午前 21キロ中強度

午後 休養


木曜日

午前 ファルトレク17x2’/1’

午後 10キロ低強度


金曜日

午前 18キロ低強度、100m6本

午後 休養


土曜日

午前 35キロ距離走(ケール―:起伏の激しいコース)

午前 休養


日曜日

休養

 今週の火曜日はファルトレクの予定でしたが、インターバルに変更されました。理由はよく分かりません。ケニアではクリスマスには一度家に帰る選手が多いので、最後のトラック練習ということになったのかもしれないし、弊社からの資金がこういうところにも使われているのかもしれません。


 もう少し事情を詳しく説明すると、イテンという町はもともとKamariny Stadiumという競技場がありました。スペルはKamarinyですが、あえて発音を日本語発音で表記しようと努めるならカマリンに近い音です。この競技場はイギリスの統治下にあった時に女王陛下から贈呈されたものですが、ずっと土トラックでした。この土トラックからオリンピック、世界選手権のチャンピオンやマラソンの世界記録保持者やメジャーレースのチャンピオン、トップ3、トップ6が何ダースも誕生していたので、つくづく陸上は金がかからないスポーツだなと思っていたのですが、この競技場がついにタータントラックになるとこのことで、現在工事中なんです。


Kamariny Stadium



 工事が始まったのが2017年の3月くらいで、その年の12月には完成予定と聞かされていたのですが、いまだに工事中です。ケニアではこの手のことが頻繁に起こります。ケニアから日本に手紙を送ったら、1年後に届いたこともありました。ケニア人のずぼらさにはさすがのずぼらな私もあきれ返るのですが、そんな訳で、選手たちはトラックで練習する時は、車で数十キロ移動しないといけません。


 日本人の感覚からすれば電車賃くらい持っているだろうと思われると思いますが、ケニアでは色々と大変なんです。私もそれをよく知っているので、今回のスポンサー契約に至った訳です。とは言え、元をたどればその資金源も皆様から頂いた講義の受講費、書籍代がでどころですので、真のスポンサーである皆様に様々な形で価値を還元できるように精進して参ります。


 少し話がそれてしまいましたが、そんな訳で火曜日のファルトレクが1000m8本のインターバルへと変更されました。大人数で実施するので、結構楽しそうですね。写真を見ると男子も女子も一緒にやっているのがうかがえます。結構、皆でスタートして、そのあとばらけながら、また次は一緒にスタートするという形をとるのがケニアンスタイルです。



 今週は火曜日、水曜日、木曜日と息つく暇もなく、中強度以上の練習が入っています。意図としては、練習の密度を上げることで、しっかりと基礎持久を作ってしまおうということでしょう。正直に言えば、この基礎作りの段階をすっ飛ばしても結果を出してしまう選手も何人かは知っています。ですが、私の15年間にわたる日本のトップから世界のトップまで見てきた中で、たった5人です。しかも、その5人全員が大成した訳ではありません。素質に恵まれながらもそれだけで成功できるほど、陸上競技は甘くありません。


 誤解の無いように書いておくと、その5人は身体的な素質に優れていた選手もいましたが、それよりも陸上頭が抜群に良かったんです。自分がその時、何をすべきか明確に理解していました。でもやっぱり陸上頭が抜群に良くてもやっぱり最低限度の基礎作りというのは必要になりますし、そのことはハーフマラソン60分、マラソンは2時間7分前後で走るうちの選手の練習を見て頂ければご理解いただけると思います。


 私が現在のコーチであるディーター・ホーゲン氏に出会った時に言われたのは、「小さな動物をたくさん捕まえたいのであれば、ショットガンを使えば良い。しかし、大きな動物をしとめたいのであれば、ライフルを持って草陰に隠れてじっと待つことだ。そして、チャンスは一回しかない。そのチャンスを逃すかもしれないが、そのチャンスに賭けないと大きな動物は仕留められない」とのことでした。


 市民ランナーの方でサブ3、サブエガ、2時間35分切り、2時間30分切り、(女子なら3時間15分切りから)を目指す方たちにとってもこの原則は当てはまるでしょう。ついでに言えば、市民ランナーの方の方が継続が重要なので、基礎的なトレーニングを地道に積み重ねていくことが重要ではないかと思います。


 それでも敢えて言えば、練習の回数は少ないかなという印象は受けます。一週間に9回の練習ですが、日本の選手は基本的には13回、3部練習を取り入れて13回を超えることもあるので、練習の回数は少ないです。実は今世界的には練習の回数は減る傾向にあります。その理由は「質の高い練習の量を増やすため」です。質の高い練習の量を増やすというのは何もインターバルやファルトレクばかりをするという意味ではありません。


 例えば、この週はインターバルやファルトレク以外にも持久走が入っています。ここの持久走は高強度にするわけにはいきません。そうすると、インターバルやファルトレクなどの高強度で走るべき練習が高強度にならなくなったり、故障したり、オーバートレーニングになったりします。


 しかしながら、その中でも徒にジョギングのようなほとんどトレーニング刺激がない練習で距離を増やすよりは、少しでも質の高い持久走を取り入れていった方が強くなるというケースが多いことに現場の指導者が気づいてきたからです。この点については、ケースバイケースとしか言いようがありません。


 中距離選手や中高生は、一回に20キロ走るよりも6-10キロなどの短い距離で二部練習にする方が良いでしょう。中距離選手はそもそも一回に長く速く走る種目ではありませんし、中高生はまだ体が出来ていません。この観点から言えば、走り始めてまだ経験の浅い市民ランナーの方は一回に長い距離を走るのではなく、30‐60分の二部練習から始めるのも一つの手でしょう。ただ、成人のマラソンランナーに関しては、そういうアプローチをとる選手も増えてきているということです。


 これもいつもいつも一部練習が良いという訳ではなく、全体の調和を図る中で、迷ったらそういう選択を取る選手も増えてきているということです。分かりやすくほんの一例を挙げるとすると、朝と午後に1キロ5分ペースでだらだらと90分ジョギングするくらいなら、午前中に20キロを3分45秒で走って、午後は休養という選択肢をとる人も増えてきたということです。これはほんの一例ですが、市民ランナーの方は仕事のスケジュールも考慮に入れながら、一部練習と二部練習のメリット、デメリットをそれぞれ理解しながら上手く取り入れると良いと思います。


 最後に、最近私のブログを読み始めた方や電子書籍をまだ一冊も読んだことがない方はファルトレクという用語が分からない方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、下記の「ファルトレクのススメ」という無料ブログをご参考にしてください。


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筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

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