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当たり前について考える

 本日はマインドについての内容です。

 

 あなたは今どんな目標に向かい、その目標に向けて何をしていますか。

 

 目標と言っても人それぞれで、『夏に300km走る』『今年の冬にサブ3する』『還暦を超えてもサブ3.5する』『マラソンを通して己の肉体、精神を鍛え、いつまでも尊敬される強い人間でいたい』などたくさんあると思います。

 

 さらにそこに向けて、今日10km走ったり、睡眠や栄養に配慮してリカバリーを促進させたり、もしくはウェルビーイングのYouTubeやメルマガ等で長距離走、マラソンの知識を深めるなど多かれ少なかれ取り組んでいると思います。

 

 それぞれ程度に差はあれど、日常的に取り組むことは習慣化され、習慣化されていることは快を感じます。日常的に10km走っている人はそれをすることで充実感を得ることができます。

 

 また、走らない日があると何か物足りなかったり、違和感を覚えたりします。対して、これから始める新しいことに関しては不快に感じます。

 

 例えば勉強習慣のない人は机に座り、10分参考書を読むという行為に大きなエネルギーが必要になりますし、本を読む習慣のない人はある程度の量がある文章を読むということ自体が退屈です。例えその行為が自分にとって有益であっても習慣化されるまでは、多大なエネルギーが必要になり、モチベーションが低下した段階で辞めることを選択する人もいます。

 

 さらにいえば習慣化されていることであっても、いつもの2倍の距離を走ったり、いつもの半分だけしか勉強をしないというのも不快に感じます。

 

 つまり、私たちは日常的に行なっている行為、その度合いに対して依存していきます。その当たり前が快につながり、その範囲から外れると普段よりもエネルギーを要し不快に感じます。

 

 私は5月になってからウェルビーイング株式会社に入社しました。現在は、自社の30時間分のオンライン講座を使って、長距離走マラソンについての知識の獲得・整理、YouTubeを週に5〜6本作成、メルマガで3000字以上の有益な情報を発信するということをメインに行っています。

 

 動画を見るのはそこまで私にとって苦ではないのですが、毎日視聴するとなるとハードルが上がります。YouTubeもケニアにいる時は、週1回が私の当たり前であったので、投稿頻度を上げるという行為にストレスを感じました。


 特にメールマガジンは苦戦しております。私は文系で国語や英語は一般的水準で読み書きできる認識でいましたが、高校生以降、文章を構成したり、本を読むことをほとんどしてきませんでした。ですから私にとって3000字の文章を書くだけでも時間がかかり、多くのエネルギーが必要になります。

 

 しかし、面白いことに1週間毎日継続すると、心理的な抵抗は小さくなっていきます。さらに多かれ少なかれ小さな上達が見えます。作業時間が幾分か短縮されたり、主観的ですが、私の場合は話し方、文章能力の改善を感じました。そしてさらに1週間、2週間続けると、取り組むことへのハードルは一気に下がります。

 

 ここに至るまで個人差はありますが、3週間毎日続ければ習慣になっていきます。『3の法則』という言葉があるように3日、3週間、3ヶ月、3年と続ければ、継続が習慣になり習慣が結果になるという法則です。習慣にも程度がありますが、頻度を増やしたり、毎日行うことで、上達も早く、いつの間にかこれらを行うことが不快ではなく快へとなっていきます。

 

 ですから長距離走、マラソンにおいても頻度を増やしていくことが走ることへのハードルを下げて快になります。それが練習量の増加に繋がり、走力が向上し、結果が出るという好循環になります。

 

 このように書くと3週間続けることがしんどい、毎日時間が取れませんと思う方もいるでしょう。

 

 その通りです。人間は新しいことを始めて成長しようとする時、同時にやらない理由を考えてしまいます。例えやる気に満ち溢れていたとしても、やらない理由を探してしまいます。

 

 例えば、英語を話せるようになるために留学しようと考えます。留学することで、環境を変えて、嫌でも英語を話すしかない状況をつくれば習得できると多くの人は考えるでしょう。

 

 しかし、環境自体を変えればある程度話せるようになるということを理解していたとしても、人間はここで多くのデメリットを考えて決断を先送りにしようと考えます。

 

 例えば、『50万投資しても話せるようにならなかったらどうしよう』『海外生活に適応できなかったらどうしよう』『勉強を続けられなかったらどうしよう』など、誰しも考えてしまうものです。

 

 実際のところはやってみないとわかりません。英語が喋れるようになるかもしれませんし、ならないかもしれません。

 

 しかし、一つ言えるのは、動かないと成長することはないということです。さらに現状から最短最速で成長するのであれば、できる限り頻度を増やして習慣化することが手っ取り早いのです。習慣になればそれは快になり、継続できるようになります。

 

 さらに決断までの時間も早い方がいいです。例えば、オンライン英会話を始めようかなと30日間悩み続ける人と、まずやってみて判断しようという人がいた場合、悩んでいる人は30日間考えるだけで前には進んでいません。実際にやってみた人は少なからず、何が聞き取れて何が聞き取れなかったのかわかりますし、教えてくれる先生についてもわかることがあります。一歩前進することができます。

 

 そして30日間わからないなりにやっている人間は、やりながら修正し成長することが可能です。30日後には大きな差になっていることでしょう。

 

 頭の中でいくら考えてもそれは想像なので結果として見えるものではありません。自分ができるのかできないのかを知るには行動に移すしかないのです。

 

 大人になると論理的思考が発達し、これまでの経験から、できる、できないを想像して判断をすることができるようになります。それが悪いとまでは言いません。これまでの経験から導き出されるその想像は正しいのかもしれません。

 

 しかし、今までの経験をもとに不快にならない範囲の選択しかできなければ、大きく変わったり、自分のできる最高のパフォーマンス自体を向上させるのは極めて難しいでしょう。

 

 また、あなたはこれまでの人生をどのように評価していますか。私は、マラソンもまだ2時間20分程度で、走り始めてから10年すら経っていないので、ここからが伸び代であると考えています。これがオリンピックに出れるレベルに到達できるかといえばそこまでは断言できませんが、2時間10分前後までは努力を積み重ねたら可能であると考えています。

 

 これまでの評価や現在どの程度満足しているのかは人それぞれです。満足している人生であればそれは素晴らしいことであると思います。

 

 しかし、多くの人はもっとお金を稼ぎたい、もっとマラソンが速くなりたい、もっと尊敬されたいなど向上心や欲深さという感情を持ち合わせています。それが現状から大きく変わる力になります。その大きさがより強いモチベーションに変わります。

 

 現在はマラソン5時間だけど、最終的にマラソンで2時間30分切りを目指すのと、4時間ギリを目指すのでは、無意識に入ってくる情報の量は大きく違います。当然意識も変わってくるでしょう。

 

『満足したら成長しない』

 

 これは私が小学生の時に父から言われていた言葉です。私は野球が好きで小学校の時からプロ野球選手の絵を描いていました。当時の私はスポーツよりも勉強が得意で、特に工作をしたり絵を描くことが大好きでした。

 

 なぜなら当時の私は生まれつき心臓病で運動制限もあることから、一人でできるお絵描きや工作に取り組むことが多かったからです。

 

 当時は作った作品や絵を父に見せていました。私もそれなりにかけるという自負があったので、褒めて欲しかったのですが父は私を褒めることはほとんどありませんでした。

 

 もっと影をつけて立体的に見せたらいいよとか、体のバランスをしっかりみて書きなさいとか、一歩上に行くためのアドバイスばかりでした。学校のテストも同様に褒められることはありません。100点を取るそれが当たり前であり、95点は1問間違えているのだから、間違えたところの復習をしっかりしなさいと常々言われてきました。

 

 このような幼少期を過ごした私はテストで100点を取るのが当たり前、もっと絵がうまくかけて当たり前、もっと野球が上手くなれて当たり前、もっと足が速くなれて当たり前、というのが常識でした。

 

 例え得意ではないスポーツであっても手術して治れば、たくさんトレーニングができるからもっとできると考えていました。たくさん勉強したり、たくさん絵を描いたり、たくさん素振りをしたり、たくさん走ったりすることで、東大に行ったり、画家になったり、プロのスポーツ選手になれる、それが実現するための方法であると思っていました。

 

 現実はそう甘くはないのですが、現状の力量に関係なく何事も継続すればできるようになるという考えを今でも持ち続けています。

 

 この当たり前の感覚を元にそれがその人のビジョンになり、可能性であると私は思います。

 

 当たり前のレベルを上げていくためには長期的な視野で、現状に満足せず、今よりもある程度大きな目標を掲げていくことがとても大事になります。

 

 時には天才と呼ばれる人たちが稀にいますが、私たち人間の大多数は、五体満足に生まれ、後天的な環境に適応して成長して行きます。多少の個人差はあれど、自身の能力は後天的に行われる積み重ねに大きく依存します。

 

 ですから、始めるのに早い遅いはあれど、持っている能力に関してはさほど変わらないというのが私の考えです。それは長距離走、マラソンであっても一緒です。

 

 現状を変えていくには、不快を受け入れて、まず快にしていくこと。これを理解した上で長期的目線で、より大きなゴールを持つことが結果を大きく変える力になります。

 

 一度、現状の実力や環境にとらわれず、純粋にランニングやご自身の人生を好きなように思い描いてみてはいかがでしょうか。

 

 

明日が良い1日になりますように

Have a nice day!

 
 
 

コメント


筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

© 2020 by ウェルビーイング株式会社

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