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春に知ってほしい!これを知るだけで秋のマラソンの結果が劇的に変わる原理原則


 春先という季節は、秋冬のマラソンシーズンを終え、次のシーズンに向けて新たにスタートを切る、非常に重要な時期です。この時期にどのような意識で、どのようなトレーニングを積むかによって、秋にあなたが自己ベストの歓喜に包まれるか、それとも再び悔し涙を流すかが決まると言っても過言ではありません。


 しかしながら、多くの市民ランナーの方のお話を聞いていると、春先に気合が入りすぎるあまり、マラソントレーニングにおいて「ある致命的な失敗」を犯してしまっているケースを多々見受けます。


 その失敗の典型的なやり方とは、ズバリ「段階を踏んでいない」ということです。


 本日は、本気でマラソンで自己ベストを更新したいと願うあなたに向けて、なぜ段階を踏むことがそれほどまでに重要なのか、そして具体的な練習の「質と量」の調整方法、さらにはトレーニング刺激に対する「適応のメカニズム」について、運動生理学や私自身の経験を交えながら徹底的に解説していきます。


マラソンのトレーニングは「分解」から始まる

 長距離走、そしてマラソンのトレーニングの基本とは一体何でしょうか? それは極めてシンプルです。「短い距離を速く走るトレーニング」と「ゆっくり長く走るトレーニング」の2つです。陸上競技の本質が「ある決められた距離をできるだけ速く走ること」であるならば、その両極端にあるこの2つの要素が基礎中の基礎となります。


 マラソンという競技は、この「短い距離を速く」と「ゆっくり長く」の2つの基礎能力を組み合わせ、徐々にレースに近づけていくことで、最終的な頂点(目標タイム)を高く伸ばしていくスポーツです。


 トレーニングというのは、「今できることを積み重ねていくこと」に他なりません。 たとえば、現在のマラソンの自己ベストが3時間10分で、これから「サブ3(3時間切り)」を目標にしているランナーがいるとします。サブ3を達成するためには、42.195kmを平均して1km4分15秒のペースで走り切らなければなりません。


 しかし、現状3時間10分の選手に「じゃあ、今日から42kmを4分15秒ペースで走ってください」と言っても、いきなりできるわけがありませんよね。当たり前です。それができたらすでにサブ3を達成しているはずですから。


 だからこそ、私たちはマラソンに必要な能力を「持久力」と「スピード」という2つの要素に分解し、部分的にトレーニングをしていくのです。「今、自分にできる練習」のレベルまで、目標を徹底的に分解していく作業が必要になります。


 この「分解していく作業」を突き詰めることが、トレーニング計画において最も大事なことです。 42kmを4分15秒で走れないのなら、まずはどうするか。 「じゃあ、ペースは気にせずに、まずはゆっくり60分ジョグをして足を鍛えよう」 「スピードに余裕を持たせるために、ジョグの後に100mの流しを10本やろう」 「少し実践に近づけて、1000mを5本、1km4分15秒ペースでインターバルをやってみよう」 このように、最終的な目標から逆算して、普段行う「30分ジョグ」や「60分ジョグ」、あるいは「1000mのインターバル」などへと細かく落とし込んでいくのです。これが、段階を踏むための第一歩である「分解」の作業です。


質と量、どちらを先にやるべきか?答えは「量」である

 さて、目標を分解し、軽い練習や短い距離の練習に落とし込むことができたとします。しかし、いつまでもただ分解した軽い練習だけをやっていても、サブ3や自己ベスト更新には届きません。どこかのタイミングで、練習の「質(ペース)」と「量(距離や頻度)」を調整し、負荷を上げていく必要があります。


 ここで、ランナーにとって永遠のテーマとも言える疑問が浮かびます。 「じゃあ、質と量のどちらを先に引き上げる方が良いのか?」


 結論から言えば、それは「量」です。 ここでいう量とは、総走行距離や走る時間、頻度のことを指します。


 なぜ「量」から先に取り組むのがセオリーなのでしょうか。 それは、「トレーニングにおいて、最初から限界まで追い込むような高強度の練習(質)は、そもそもこなすことができないから」です。


 人間は、新しい取り組みを始めた段階や、体に新しい刺激をかける時が、最も精神的にも肉体的にも疲労を感じます。 逆に言えば、「慣れてしまえば、日常的になってしまえば、それはそこまで負荷がかからないし、楽にこなせる」ということでもあります。


 極端な例を出しましょう。ランニング習慣が全くない人にとっては、ただ5分間ゆっくり走るだけでも息が上がり、心底しんどいと感じます。次の日には激しい筋肉痛に襲われるでしょう。 しかし、日常的に月間何百キロも走っている熟練ランナーにとっては、ただ「30kmをゆっくりジョグする」だけであれば、大してキツいとは感じません。翌日に筋肉痛で歩けなくなることもありません。


 私自身の経験をお話しします。 私は過去、ケニアでの武者修行時代などに、月間800kmから多い時には月間1000kmという距離を、強度の高い練習を交えながら比較的楽に走っていた時期がありました。その頃は、毎日走ることが当たり前であり、体もその膨大な量に適応していました。 しかし、故障などで長期間のブランクを経て、練習を再開した頃はどうだったか。なんと、たった30分のジョグをすることすら、脚が重くてしんどかったのです。かつては月間1000km以上を走っていた人間でも、走る習慣が途切れれば、30分のジョグが「新しい強烈な刺激」となり、肉体的な苦痛をもたらします。


 この経験からも明らかなように、人間の体は習慣化されていない動きに対して過剰に疲労を感じます。しかし、「ゆっくり走る量を増やすこと」自体は、時間をかければ誰にでもできます。最初は5分がしんどくても、毎日続けていけば10分、20分と必ず楽になってきます。 だからこそ、まずは「量」から取り組んでいくことが、長距離走トレーニングの鉄則(セオリー)なのです。


 さらに、日常的に走れる「量」が増えることには、運動生理学的にも計り知れないメリットがあります。 ゆっくり長く走る有酸素ランニングを継続することで、筋肉の隅々に酸素を運ぶ毛細血管の密度が向上し、細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアの数と機能が向上します。また、心臓の筋肉(心筋)も鍛えられ、一回の拍動で送り出せる血液量が増えます。 これらが複合的に働くことで、「疲れにくい体」になり、強い負荷をかけた後の「疲労からの回復力」も劇的に高まるのです。


 質(スピード)を求めるのは、この「疲れにくく、回復が早い土台」が完成してからで遅くはありません。


「段階的」に行うことの絶対原則と、市民ランナーの罠

 さて、量から増やすのがセオリーだと言いましたが、ここで絶対に注意してほしいことがあります。 それは、「量を増やす際も、必ず『段階的』に行う必要がある」ということです。


 いくら「ゆっくり走るジョグだから大丈夫だろう」と思っても、日常的に走っていない人に、いきなり1時間走らせたら、膝やアキレス腱など、どこかしらを確実に痛めます。心肺機能は耐えられても、着地の衝撃に耐えるだけの腱や靭帯、筋肉(結合組織)がまだ出来上がっていないからです。


 これは、ある程度走っている経験者にも同じことが言えます。 たとえば、コンスタントに「月間400km」を走っている市民ランナーがいるとします。月間400kmといえばかなりの練習量です。しかし、その内訳が「毎日、朝に8km、午後に7km」というように、1回に走る距離が短いパターンの場合、いきなり週末に「40km」をすれば、故障する確率や疲労度はそれなりに高くなります。 月間走行距離は足りていても、1回の長い距離(長時間の着地衝撃)に体が慣れていないため、40kmという距離が「強烈な未知の刺激」になってしまうからです。


 一方で、同じ月間400kmでも、「平日は軽めに繋ぎ、週末に週1回程度、20km〜25kmの距離走を継続的に行っている人」であればどうでしょうか。この人は、すでに25kmの着地衝撃に体が適応しています。そのため、ここから距離を伸ばして「40km」を実施しても、体への過度な負荷や故障のリスクは前者よりも少なく、スムーズに40kmという距離に移行することができます。


 ですから、マラソンのトレーニングにおいては、3ヶ月、あるいは4ヶ月という期間をかけて、段階的に走る量(1回の距離)を増やしたり、練習の密度を上げていくことが絶対に必要不可欠なのです。 この「段階的な準備期間」をしっかりと設けることで、故障のリスクを最小限に減らし、確実にサブ3やサブ2.5といった高い目標へと走力を伸ばすことがです。

 

  市民ランナーの方の多くは、仕事や家庭の忙しさから、この「準備期間」を十分に取ることができません。その結果どうなるか。 普段の練習では長くても10km程度しか走っていないのに、レースが近づいてきて焦り、「スタミナへの不安」から、いきなり週末に30km走や40km走をやろうとしてしまいます。


 当然、段階を踏んでいないため、途中で脚が動かなくなって失敗します。あるいは、気合と根性でなんとか30kmをこなし切ることができたとしても、体に受けるダメージが大きすぎます。 限界を超えた強い疲労感と筋肉痛により、その後1週間、場合によっては2週間もまともな練習ができなくなってしまいます。これでは、せっかくの30km走が「点」で終わってしまい、次の練習へと「線」で繋がっていきません。


 「練習でできないことは試合でもできない」と焦る気持ちは分かりますが、段階を飛ばして無理な負荷をかければ、適応するどころか体が壊れてしまい、目標には絶対に届かないのです。


刺激への適応には「時間」がかかる。4週間の法則

 さらに、トレーニングにおいて絶対に理解しておかなければならないことがあります。 それは、「新しい練習(刺激)を1回やっただけでは、体はすぐにその刺激に適応して強くはならない」ということです。


 人間は、負荷をかけられた直後は疲労により一時的に弱くなります。そこから回復し、さらに「この刺激に耐えられるように進化しなければ!」と細胞が生まれ変わり、神経回路が書き換えられて初めて「適応(超回復)」が起こります。


 この新しい刺激に対する「適応」には、どうしても物理的な時間がかかります。 今日、初めて20kmを走れたからといって、明日すぐに体が20kmに完全適応しているわけではありません。同じような刺激(練習)を「約4週間」継続し、4回、5回と反復して重ねていくことで、やっと脳と筋肉が学習し、能力を根本から向上させることができるのです。


 「先週30km走をやったから、今週は35km、来週は40kmだ!」というように、毎週毎週右肩上がりに距離や負荷を増やしていくやり方は、体が適応する時間を完全に無視しています。これでは必ずどこかでパンクします。


では『適切な』増やし方はどのくらいなのか

  私のこれまでの指導経験と自身の競技経験上、距離を増やしていく際の安全な目安があります。 それは、「距離で言えば一度に2〜3kmずつ増やす」、あるいは「現状の距離の2割増しくらいにとどめる」ということです。


 今週10km走れたのであれば、次の週末は12km〜13km(2割増しなら12km)。 今週20km走れたのであれば、次は22km〜24km。 このように、2〜3kmずつ、あるいは2割増しの範囲内で少しずつ「現状の限界」を押し広げていくアプローチが、最も失敗しにくく、着実に成果を積み上げることができます。


 そして、その増やした距離の練習を1回やったら終わりではなく、数週間(できれば4週間)はその距離の周辺で反復練習を行い、体に「この距離はもう日常ですよ」と錯覚(適応)させる時間をとるのです。


 だからこそ、マラソンで結果を出すためには、「目標とするレースの日から逆算して、十分な準備期間(3ヶ月〜半年)を設定すること」が何よりも大切になります。 直前の1ヶ月で焦って無理な距離を走っても、体が適応する前にレース当日を迎えてしまうため、ただ疲労を引きずったままスタートラインに立つことになり、自滅してしまうのがオチです。


まとめ〜本気で自己ベストを更新したいあなたへ〜

 いかがだったでしょうか。 春先からマラソントレーニングを開始するにあたり、なぜ「段階を踏むこと」が重要なのか、そのメカニズムがお分かりいただけたかと思います。

改めて、本気で秋のマラソンで自己ベストを更新したい、サブ3やサブ2.5を達成したいと願う方は、以下の原則を胸に刻んで日々の練習に取り組んでみてください。


  1. 目標を「今できる練習」にまで分解する いきなりレースペースで長い距離を走ろうとせず、まずはゆっくり長く走るジョグと、短い距離のスピード練習(流しやショートインターバル)に分解して基礎を作ってください。


  2. 「質」よりも先に「量(頻度と距離)」から取り組む まずはペースを気にせず、日常的に走る量や時間を増やし、「疲れにくく回復の早い」ミトコンドリアと毛細血管の土台を作ってください。


  3. 絶対に「段階的」に距離を伸ばす 普段10kmしか走っていないのに、いきなり30kmに挑戦するのは自殺行為です。週末の距離走などは、「2〜3kmずつ」あるいは「現在の2割増し」を上限の目安として、慎重に距離を伸ばしてください。


  4. 「4週間の適応期間」を待つ 新しい距離やペースの刺激を入れたら、すぐに次へ進むのではなく、4週間(4〜5回)程度はその刺激を反復継続し、体が完全に学習し適応するのを待ってください。


 春から夏にかけての時期は、目に見えるタイムの向上(質)を焦る時期ではありません。 秋に最高の花を咲かせるために、深く、広く、そして強固な「根(土台)」を地中に張り巡らせる時期です。

今日お話しした「段階的なアプローチ」と「適応のメカニズム」を理解し、焦らずコツコツと練習を「線」で繋いでいけば、秋には必ず、あなたが想像している以上の驚くべき結果が待っています。


最後にここまで読んでくださったあなたに『長距離走、マラソンが速くなるための3つのポイント』も教えます!


 最後までお読みいただきありがとうございました。このブログを読んで『本気でマラソンで自己ベスト更新したい!』と思ったあなたに、プレゼントをご用意しています。


それは『長距離走マラソンが速くなるためのたった3つのポイント』という書籍です。


 本書は選手としては大阪マラソン日本人トップの実績を持ち、現在はウェルビーイング株式会社代表として、これまで述べ1万人以上の市民ランナーの方へランニング指導を行い、数々のサブ3やサブエガランナーを誕生させてきた池上秀志が書いたもので、トレーニングにおいて絶対に見落としてはいけない法則について解説した、まさに長距離走・マラソンが速くなりたい全ての市民ランナーの為に書かれた本です。


 著者である池上秀志は、プロランナーとして自分の脚で稼ぎ生計を立てるべく、世界の一流指導者、一流選手の元に直接行って指導を仰ぐため、ケニア、ニュージーランド、ドイツ、オーストリアなど海外を単身で飛び回ってマラソンが速くなる真理を追求しました。


 さらに洋書・和書問わず数百冊の本を読み込み、膨大な知識を身につけました。その結果として辿り着いた、トレーニングをする上で絶対に万人に当てはまるとある法則をこの本で語ってくれています。


 またこちらの書籍は、入門書としての側面もあり、迷ったときにはいつでも見返せるようにデザインされています。私が今、ランナーとして全然違う景色が見えているのは一つの事実。間違いなく本書が、今の走力まで辿り着く近道の入り口だったと思います。


 本書は本来は1000円で販売しています。ですが、この記事をお読みいただいたあなたにもぜひ、ランナーとして見える景色が変わるこの感覚を味わっていただきたい、成功を応援したいという想いから、現在メルマガ登録で無料でデータをプレゼントさせていただいています。ランナーの方であれば、お手元にあって損はない一冊です。今すぐ下記のリンクをクリックして、歓喜の自己ベスト更新に一歩近づいてください!



ウェルビーイング株式会社

水越 進一


 
 
 

コメント


筆者紹介

​ウェルビーイング株式会社代表取締役

池上秀志

経歴

中学 京都府亀岡市立亀岡中学校

都道府県対抗男子駅伝6区区間賞 自己ベスト3km 8分51秒

 

高校 洛南高校

京都府駅伝3年連続区間賞 チームも優勝

全国高校駅伝3年連続出場 19位 11位 18位

 

大学 京都教育大学

京都インカレ10000m優勝

関西インカレ10000m優勝 ハーフマラソン優勝

西日本インカレ 5000m 2位 10000m 2位

京都選手権 10000m優勝

近畿選手権 10000m優勝

谷川真理ハーフマラソン優勝

グアムハーフマラソン優勝

上尾ハーフマラソン一般の部優勝

 

大学卒業後

実業団4社からの誘いを断り、ドイツ人コーチDieter Hogenの下でトレーニングを続ける。所属は1990年にCoach Hogen、イギリス人マネージャーのキム・マクドナルドらで立ち上げたKimbia Athletics。

 

大阪ロードレース優勝

ハイテクハーフマラソン二連覇

ももクロマニアハーフマラソン2位

グアムマラソン優勝

大阪マラソン2位

 

自己ベスト

ハーフマラソン 63分09秒

30km 1時間31分53秒

マラソン 2時間13分41秒

© 2020 by ウェルビーイング株式会社

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